たちメンタルクリニックの治療理念

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当クリニックの最大の特徴は、患者さんとの対話を重視しているということ、すなわちサイコセラピーを中心に据えていることです。このことの意味を少し詳しく説明したいと思います。サイコセラピーとは、簡単に言うと、セラピスト(治療者)との1対1の関係の中で、自分自身のことを語る作業です。セラピストは患者さんの話を傾聴しますが、基本的にはアドバイスをしたりせず、患者さんの語らいを聞いていきます。そうしていくと患者さんは少しずつ自分のことを考え、自分のことをみつめるようになります。それが大事であると私たちは考えています。

 
以前に比べれば精神医療は発展し、様々な治療法が行われるようになっています。特に薬物療法では、様々な薬物が用いられるようになっています。しかし、私たちは精神医療の本質は自分のことをみつめ、自分のことを考えられるようになることであると考えています。そうすることで自分のことをより総合的に理解することが出来るようになると、自分をコントロールすることもより上手になると思います。私たちはそれが精神的な健康であると考えています。※1
そのために当クリニックでは、患者さんのお話を丁寧にうかがいつつ診察を行ったうえで、きちんとアセスメントを行い、それをフィードバックしていくことがまず重要と考えています。そのアセスメントをもとに治療方針を立てて、いきたいと考えています。対話は当初は、セラピストと患者さんの間で行われますが、やがて自分の中で展開するものでしょう。

 
とは言っても、人は誰も余り自分のことは見たくないものです。また、自分のことを見つめないと問題解決にならないのは分かっているが、そうするとかえって不安定になるのではないかと思われる方もいるでしょう。当クリニックでは、そういう方にいきなり自分について考えて下さいと求めたりはしません。先ずは、自分について考えるための心のスペースが持てるようにアプローチしていきます。ところで、こうした作業を行うことが現時点では余り適当でない患者さんもおられます。そういう方にも今後の治療方針についてご相談することができると考えています。なお、当クリニックで行っている精神療法は、精神分析によって方向付けられている精神療法です。※2
また、精神療法はそれなりに時間がかかるものです。精神科医による一般外来の診察では、十分に時間をかけることが出来ない場合があります。それ故、当クリニックでは、患者さんに併設の上本町心理臨床オフィスやその他の施設でカウンセリング(自費)を受けることを積極的に勧めています。

上本町心理臨床オフィスでのカウンセリングに関しては、ホームページをご覧ください。

院長  館 直彦

 

※1 私たちは薬物療法を否定しているわけではありません。症状が強く苦痛がひどい場合には、自分のことを考える余裕はないでしょう。その場合、きちんと薬物療法を行うことが、まずは重要です。しかし当クリニックでは、他の多くのクリニックのように薬物療法を治療の中心に位置付けてはいません。薬物療法を中心とした治療を希望される方には、他のクリニックを紹介しております。
※2 当クリニックのスタッフは、当日の受付担当も含めて全員が心理士です。また当クリニックでは、認知行動療法は原則として行っておりません。そのことに関しては、FAQをご覧下さい。院長の臨床的なスタンスや精神分析についての考えをお知りになりたい方は、専門書になりますが著書をご覧下さい。