よくあるご質問(FAQ)

精神療法

Q1:心理療法、精神療法、カウンセリングとはどんなことをするのですか?

先ず、心理療法、精神療法、カウンセリングの違いについて説明します。精神科の治療は、薬物を用いた治療(薬物療法)と、対話を中心とした治療(心理療法、精神療法)に大別されます。心理療法と精神療法は同じですが、通常、臨床心理士などが行う場合は心理療法、精神科医が行う場合は精神療法と言います。カウンセリングは、もっと幅広い概念で、カウンセラーがクライアントの話を聞くことを言います(自分に合った化粧品が何かを相談するような行為もカウンセリングです)。一般外来で、医師が少しお話を伺い、それに従って、アドヴァイスをしたり、薬物を投与したりすることも、実はカウンセリングであり、精神療法です。

ただ、当クリニックでは、精神科医もしくは心理士が、週1回以上時間を決めて患者さんとセッションを持つことを精神療法、心理療法と呼んでいます。1回の面接は45~50分で、自費で行います。精神療法、心理療法では、患者さんに自分自身のことを考えてもらい、そのことを治療者に話してもらう、ということが原則です。治療者の役割は、先ず患者さんの話に耳を傾けることです。より具体的なことを知りたい場合は、スタッフにお尋ねください。また、精神療法、心理療法を始める場合は、患者さんと治療者の間で契約が必要です。詳しくはスタッフにお尋ねください。

 

Q2:心理療法、精神療法、カウンセリングはどんな効果があるのですか?

患者さんが自分自身のことを考え、それを治療者に話したからといって、どんな効果があるか疑問に思われるかもしれません。これは殆どの患者さんが一度は抱く疑問です。自分はこの症状を取り除いてもらいたいと思って相談に来ている、あるいはこういった悩みや、性格上の問題、対人関係のトラブルがあって来ているのに、自分のことを話して何の意味があるのか?治療者は黙って話を聞いているだけで、何のアドヴァイスもしてくれないのは何故か?私はアドヴァイスが欲しくて来ているんだ、などといった質問をよく受けます。確かに、心理療法、精神療法は、直接的に問題解決を行うことは余りありません。それよりも自分のことをしっかりと考えてもらうことが重要と考えています。何故、そのような回りくどい方法を行うのでしょうか?

症状、種々の悩み、性格上の問題、対人関係のトラブルなどのルーツはどこにあるでしょうか?もちろん、一時的に環境や対人関係に恵まれないなどといった現実的な課題もあり得ます。そのような場合は、現実的な対応を行えば、問題解決するでしょう。しかし、そのようなことが出来るのは、実は限られた場合であり、多くの場合、私たちの悩みは、自分自身が原因になっているということはないでしょうか?心理療法、精神療法は、自分自身を考える場を提供します。自分のことなら、自分で考えれば良い、他人の助けを借りる必要はない、と思われるかもしれませんが、よく考えてみましょう。これまで、自分で何とかしようと思って相談しなかったことが、現在の状況を招いているのではないでしょうか?人間は対話を通して成長するものです。心理療法、精神療法はそのような機会となります。また、相談するなら、家族や友達と相談すればよい、と思われる方もおられるかもしれません。しかし、家族や友達と相談できることは、実は限られています。お互いの関係親しいものであればあるほど、言いたいことが言えない、ということはとても多いのです。専門的な訓練を受けた専門家は、あなたが自分自身について考えることを手助けし、その途上で遭遇する困難な状況にも、一緒に立ち向かってくれるでしょう。それを通して、自己理解、自己認識が深まると、症状などにも変化が生じる筈です。

薬物療法と心理療法などを併用することは可能ですか?

可能なだけでなく、当クリニックでは併用することをお勧めしています。どんな病気でも生物学的要因とともに心理的要因が関与しているからです。薬物療法は生物学的な部分に効果的な治療法です。一方、心理療法は心理的な部分に働きかけます。これらは車の両輪のようなもので、両方がうまく機能することで最良の結果が得られると考えてよいでしょう。また、服薬することにはしばしば不安が伴います。そして、その服薬に対する不安が軽減すると薬物の効果はより高まるといわれています。心理療法は服薬に伴う不安を軽減していく最良の方法の一つあると言われています。

Q4:精神分析、精神分析的心理療法と普通の心理療法などはどのように違うのですか?

精神分析は19世紀末にフロイトがはじめた治療法であり、人間理解の方法です。これは原則として1回45~50分、週4~5日の面接を行い、患者さんが自らを探求することを分析家(治療者)が援助していくやり方です。患者さんにはカウチ(長椅子)に横になって、自由連想(自分自身について、そのとき頭に浮かんだことを話すこと)をしていただきます。精神分析的精神療法は、そういった精神分析のやり方をより実際的な精神医療に活用するもので、面接頻度は週1~2回で、症状や対人関係上の悩み、性格の問題など具体的なテーマに焦点を当てて集中して治療を行うものです。考え方は基本的に精神分析と同じで、悩みを解決するためには自分自身について知ることが何よりも重要と考えています。
一方、普通の精神療法には様々なものがあります。患者さんの自己実現に焦点を当てた来談者中心療法、患者さんの認知の歪みの是正を目指す認知療法、学習理論に基づき行動の改善を目指す行動療法、夢などを通して患者さんの無意識の体験の深化を目指すユング心理学による心理療法などが代表的ですが、それ以外にも沢山のセラピーの方法があります。しかし、当クリニックでは、これまでの永年の経験から患者さんが自己理解を深め、症状などの具体的な問題を本当に解決していくためには、精神分析的な考え方によるセラピーが最も良いと考え、それを推奨しています。

Q5:アセスメントとは何ですか?どんなことをするのですが?

アセスメントは、評価、査定という意味です。つまり、現在の状態がどのようなものかを評価する、ということです。評価するためには、色々な情報を手に入れる必要があります。面接で、症状や悩みのことを伺うだけでなく、ご家族のこと、これまでの人生のこと、対人関係のことなどをお尋ねするのは、なるべく多くの情報を手に入れるためです。また、心理テストを行うのも、そうした評価の一環です。

当クリニックでは、最初にきちんとしたアセスメントをすることをとても重要なことと考えております。そのために、十分な時間をかけています(長い場合には、3カ月ほどアセスメントや行うこともあります)。当クリニックでは、単に診断を付けるだけでなく、精神分析的な観点から問題点を整理し、治療の見通しについても、きちんと評価を行います。何故、そのように時間をかけてアセスメントを行うかですが、当初あらわれているテーマや問題点が、その後の治療経過で繰り返し現れることを、私たちは経験しているからです。また、患者さんの中には、アセスメントを通して、自分の悩み、問題はこんなことだったのか、と知ることで、それだけで悩みが軽減し、それ以上の治療が必要でない状態になる方もおられます。きちんとした評価は、自分を知ること、自分を変えることにつながるのです。

当クリニックでは、アセスメントで得られた結果を、患者さんと共有するように心がけていますが、きちんとした報告書を希望される場合は、お申し出ください(但し、自費になります)。